岩手県大槌町復興 刺し子プロジェクト

AD,D & Illustration: Naoki Sakakibara / 2011.06.11 / Category : Project
岩手県大槌町復興 刺し子プロジェクト
サムネイル1 サムネイル2 サムネイル3 サムネイル4

大槌復興刺し子プロジェクト

あの日以来、デザイナーとして何が出来るかを考えていました。

あらゆる価値観が問いただされ、デザインの必要性を改めて考えました。
余計なことはしたくないとも思いました。そんな模索をしていた中、
10年来の仕事仲間から復興プロジェクトの話しを頂きました。

避難所生活の女性たちがつくる「刺し子」。
ふきんとコースターの絵を描きました。
鳥は大槌の町の鳥、カモメです。
以下、大槌復興プロジェクトの趣旨です。


東日本を襲った未曾有の災害から3ヵ月。
岩手県の沿岸南部に位置する小さな三陸の町・岩手県大槌町は、中でも甚大な被害を受けました。
町役場など町の機能の大半を津波で失い、町長を含め770名以上の犠牲者を出しました。
そして今なお、町民の1,000名近くが行方不明という状況です。

多くの方が避難所での生活を余儀なくされる中、
男性たちには瓦礫の片付けや自宅の修復など、しなければならないことが山積みです。
一方で、女性たちには家事をするための場所がありません。
漁業に携わっていた女性は仕事を失い、パートに出ようにも、車も、職場もありません。
働き者の大槌の女性たちの生活は、一変してしまったので。

このような現状をなんとかしようと、大槌のおなごたちが立ち上がりました。
帰るべき家を失い、大切な人を失い、目を背けることのできない
厳しい現実の中で日々を過ごす女性たちに、今あるもの。
それは、"今日を生きる"という強い気持ちです。

そんな「何かをしたい」という思いからたどり着いたのが
限られたスペースと道具を用いて、得意の腕を生かせる「刺し子」の制作でした。
「刺し子」は布に一針一針模様を刺すことで布が強くなり、
実用品としても日本中で広く親しまれている昔ながらの手芸です。

避難所で一日中横になって日々を過ごしていたおばあちゃんも、
仕事を失ったお母さんも、働き盛りの若い女性も。
復興への強い願いを込めて、一針ずつ、一つずつ丁寧に作っていきます。  

大槌町発、一歩を踏み出した女性たちによるプロジェクトです。


大槌復興刺し子プロジェクト 
オフィシャルサイト

Top Page ▲